【小川未明童話集 (小川未明著)】
心せわしい年の暮れ、この一年の自分の行いを振り返ってみよう。
なつかしいようでいて、あたらしいような
幼い頃の物語が今の自分を問いただしに来るような
大人になってから読み返すことをお勧めしたい本がある。
幼い頃に読み聞かせをされた本の一つ。
『小川未明童話集』
どの物語にも人間というものがうまく描かれている。
欲の深さ、強情さ、卑しさ、弱さ、儚さ
人の業を簡素に簡潔に問うてくる。
やさしく通り過ぎていく、言葉一つひとつに収まりきらない情景。
童話ではあるが、目をそらしたくなるような後ろめたさを感じる作品の美しさ。
答えの用意されていない物語。
読者ひとりひとりに託される解釈。
あたたかさの中にある冷たさ。
冷たさの中にあるあたたかさ。
大人になってからこそ読みたい童話