【いのちへ(にしだひろみ著)】
寒さもひとしお身にしみるころ、ふと懐かしい匂いがした。
冬の香りはいつかのちいさな思い出を連れてくる。
そんな幼いころの記憶に寄り添ってくれる一冊の本がある。
あの頃の自分が知りもしなかったことを教えてくれる本。
いつかは知ることになる感情を教えてくれる本。
『いのちへ ちいさなちいさな いのりのことば』
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ちいさな手
私をひっぱる
ちいさな手
やわらかで懸命で
私のこころがぎゅっとなる
いつの日か
その手は
だれかを包み支えるのだろう
そしていつか
悲しみに震える時
悩み立ち尽くす時
幼い頃にその手を包んだ
幾多の手を
思い出せますように
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110ページの詩集に詰まった、愛情と苦悩。
幼い頃の私の記憶にはない、あの人の姿。
気づけないまま年を重ねることに恐怖を感じた。
今がどんな形であれ、この本を届けたいと想った。